台湾で青春18切符の旅の打合せ


   平成19年7月7日(土)の練習後、“台湾” で、いつもの懇親会と合わせて、 「青春18きっぷの旅」 の打合せが行われ

          ました。 今年も8月中旬に、レオーネの有志5人で、楽しそうな旅の計画をしています。

              

 

           「青春18きっぷの旅」 が、レオーネのホームページに、時々出てきますが、

           “青春18きっぷ” ・・・ って、どんなきっぷなんだろう ??? と思う方も多いと思います。

           そう思う方は、とりあえずこちらをクリックしてみてください。 ⇒ 青春18きっぷ

            「青春18きっぷの旅」(17年8月)

            「青春18きっぷの旅」(18年8月)

 

           下図は、S氏が作成した横長の計画図面で、駅の到着時間、出発時間などが細かに書かれています。

            どうやら我孫子を出発して、いわき→仙台→盛岡→青森→弘前→秋田→山形→郡山と、東北地方をぐるっと

            回ってくる計画のようです。

             これだけ調べてあれば、どこで迷子になっても大丈夫!!

 

  (← この図面は上図の右につながる)

 

   

     どうも、アンサンブル・レオーネでは、Y氏が 「青春18きっぷ」 を使って一人旅(?)をしていたのが、そもそもの始まりのようです。

      過去のホームページを調べていたら、創造の白樺(14年6月号)、創造の白樺(16年2月号)に、下記が掲載されていました。

              

青春18キップの旅

    新潟県小出郷文化会館を訪ねて

                                 山下広之


 平成14年4月5日(金)はすがすがしい晴の朝だった。一番電車に乗って上野に向かった。成田線は3月

から新しくJRが投入した最新型のモハE230型の車輌で、車内も美しいが、車内放送が女声で英語のアナウ

ンスもあるという、大変国際化された車両だ。

 私はキップ1枚とロマン・ロランのジャン・クリストフを1冊とマタイ受難曲の楽譜をカバンに入れて出かけた。

青春18キップは1枚あたり2200円くらいだがJRの普通・快速列車を一日中乗り放題できるとういう、便利なキ

ップである。

 上野駅6時5分着、朝食に鮭チラシ弁当(600円)を買って6時半発高崎行きに乗る。弁当を開けると鮭のチラ

シご飯の上に更に鮭が2枚乗っているという、鮭好きにはこたえられない弁当だ。また温めてあってホカホカし

ている。早速味わってからよく説明を読むとこの弁当はアメリカの会社が作ったもので、また、米はカルフォル

ニアの有機栽培、鮭は北洋の自然の海でアメリカが獲って日本に運んだもの、チラシの具の野菜類も米国産

という、そして温かく保温して駅で売るという、新しい動向である。世の中は変わっていくものだと改めて思った。

 高崎には8時18分着。8時20分発の水上行きに乗り、利根川の源流を遡って9時20分水上着。ここで9時

50分発の新潟行きに乗り換える。水上を出ると新清水トンネルの長い暗黒が始まる。トンネルの中に湯檜曾、

土合の2つの駅があるという、長いトンネルだ。そしてトンネルを抜けると一面の銀世界が広がった。線路の両

脇には雪が積もり、山々は白銀に輝いていた。

 11時半に目指す小出駅に到着した。

 小出町は人口約1万7千人、奥只見観光の玄関口であり、また交通の中心地である。また北魚沼郡に属し、

魚沼のコシヒカリで有名である。白銀の山々に囲まれた米どころの肥沃な平野である。

 駅前でまずラーメンを食べたが、なかなか美味い。小出のラーメンはその道では有名なんだそうだ。次に小

出郷文化会館を訪れた。響きの森という広い公園の中にあり、大ホールは3階席で1140人収容の大きなホー

ルである。またサントリーホールと同じ響きを実現した、自慢の新しいホールのようで、いい響きを出してくれそ

うである。400人の小ホールもある。

 帰りに大力納豆という、昔からの名産の味のついた、醤油を掛けなくてもいい納豆を買って13時発の越後湯

沢行きに乗った。越後湯沢で降りてレストランに入り、日本海でとれたイカ焼きを肴にコシヒカリのご飯を食べて、

15時5分に越後湯沢を発って15時43分水上着、水上から高崎に出て、高崎17時10分発上野行きに乗り、18

時57分上野着、その足で京成の青戸でマタイ受難曲の練習を終え、23時無事我孫子の自宅へ帰着した。

 

   

        青春18キップの旅  小諸の「シェイクスピア美術館」を訪ねて

                                                 山下広之 

 去る2004年1月14日(水)に日帰りで長野県小諸市のシェイクスピア美術館を訪ねた。乗り物のキップはJRの青春18キップ。

春、夏、冬の季節限定でJRが売り出すキップで、5枚1組で11,500円。このうち1枚(2,300円相当)で1日中どこまででもJRの各駅停車、

快速電車に乗れる便利なものである。

 小諸のシェイクスピア美術館は西洋古典版画研究家の山中己充人先生と奥様の房枝氏が、小諸の町起こし振興のために市から請わ

れて、まず英王宮の歴史美術館を小諸駅前の小諸グランドキャッスルホテルの2階に作り、続いて世界に類例の無いシェイクスピア美術

館をこの小諸の地に立ち上げたものである。

 青春18キップを使って日帰りでこの両美術館を見学することにした。

 当日は朝早く千葉県我孫子市の自宅を出て常磐線に乗って上野・東京を経て高尾から中央線で甲府を経て小淵沢に出、ここから私に

とって初めての小海線に乗った。瀟洒なディーゼル式車両は高原に大きなカーブを描いて目の前に聳える八ヶ岳に向かって上って行った。

そして次第に雪の深さと銀色の輝きを増す積雪の中に、点々と広がる別荘地を進んで行く。耳がジーンと鳴り始めるので列車が高所に登

って行くのがわかる。そして美しい佇まいの清里の駅や日本の駅で一番高い位置にある標高1345bの野辺山駅を過ぎる。

「北国の春」の題材となった八千穂駅は日本画の奥村土牛美術記念館の看板も立っている。佐久平駅は長野新幹線と接続しているが広

々とした畑の真中にある駅だ。中込駅は男声合唱団アンサンブル・レオーネで私が一緒に歌っているトップテナーの荻原儀重氏の生まれ

故郷である。小海線の一番中心となっているように見える大きな駅だ。

 こうして小海線を楽しんで過ごして行くうちに小諸駅に昼過ぎに到着。駅構内のKIOSKが廃店になって半ば壊れた看板だけが残っている

のはうら寂しい気分を起こさせる。

 昼食は駅前から一本入った通りにある大手町の食堂「揚羽屋」に入る。島崎藤村も良く味わったといわれる「一ぜんめし」を注文する。店は

昔の雰囲気を残す古びた造りである。一ぜんめしは付き出しと揚げだし豆腐、豆腐の味噌汁、鯉のあらい、卵焼き、漬物、それにご飯がセッ

トになっていてなかなか風情がある。島崎藤村が書いた「一ぜんめし 揚羽屋」の看板も大事に飾ってある。藤村の「千曲川のスケッチ」を見

ると次の記述がある。

 「私は外出した序に時々立寄って焚火にあてて貰う家がある。鹿島神社の横手に、一ぜんめし、御休処、揚羽屋とした看板の出してあるの

がそれだ。

 揚羽屋では豆腐を造るから、服装に関わず働く内儀さんがよく荷を担いで、襦袢の袖で顔の汗を拭き拭き町を売って歩く。朝晩の空に徹る

声を聞くと、アア豆腐屋の内儀さんだと直に分る。自分の家でもこの女から油揚だの雁もどきだのを買う。近頃は子息も大きく成って、母親さ

んの代りに荷を担いで来て、ハチハイでも奴でもトントンとやるように成った。

 蕎麦はもとより名物だ。酒盛の後の蕎麦振舞と言えば本式の馳走に成っている。それから、「お煮掛」と称えて、手製のうどんに野菜を入れ

て煮たのも、常食に用いられる。揚羽屋へ寄って、大鍋のかけてある炉辺に腰掛けて、煙の目にしみるような盛んな焚火にあたっていると、

私はよく人々が土足のままでそこに集まりながら好物のうでだしうどんに温熱を取るのを見かける。」

 この文章は一ぜんめしに添えてある箸袋の裏にも印刷してあった。

文学の世界に浸りつつお腹を満たして店を出た後、街道を雪で滑りながら歩いて蕎麦で現在有名な店「一休」の前を通り、旧本陣、旧脇本陣

などを見学した。わけても旧脇本陣は荻原儀重氏の親戚に当たる家で、現在は高橋さんの表札が出ている。

 こうしていよいよ懐古園の横に並ぶシェイクスピア美術館を訪ねた。島崎藤村の「惜別の歌」の碑と道路を隔てたところに美術館がある。

そしてもう一つここから徒歩5分程で行ける小諸グランドキャッスルホテルの2階に英王宮の歴史美術館がある。まずここを見学した。

それこそ王宮のようなホテルの豪華なロビーの階段を気取って上がって行くと、二階に美術館があり、ロケーションは絶好である。

英王宮の七宮を描いた作品が展示されており入館料は大人千円。 シェイクスピア美術館と両方を見ると割引の1,500円である。

 展示されている7つの英王宮はバッキンガム宮殿をはじめウィンザー城、ケンジントン城などの英国の7つの宮殿のことである。このうちカー

ルトン・ハウスはジョージ四世が購入して自分で改修した宮殿であったが、結局気に入らなくて壊してしまい現存しない王宮である。

 しかし健在な時の宮殿の外観や内部、居室などの様子を絵にして残してあるので現在でもその様子が分る歴史的資料でもある。

 また展示は館長で西洋古典版画研究家の山中己充人氏が一つ一つわかりやすく解説を書いて作品に添えてあり興味を持って楽しく観覧

できる点が素晴らしい。

 一方シェイクスピア美術館はシェイクスピアの戯曲を古典版画で見る美術館で、18世紀末当時の英国美術を代表する画家や版画家が優

れた才能と情熱を結晶させて完成されたものである。美術品としても歴史的な資料としても貴重な100点の作品が展示されている。

またシェイクスピア作品の名セリフや名場面を知っていても、私達は何となく「シェイクスピアは難しい」と敬して遠ざかっていた傾向があるが、

この作品を見ることによって親しみが涌き、誤解が氷解するようになっている。

 展示されている場面は例えば「ハムレット、第一幕四場」「ヴェニスの商人、第五幕一場」「ロミオとジュリエット第四幕五場」「オセロ、第二

幕一場」「リア王、第一幕一場」「マクベス、第一幕三場」、その他シェイクスピア戯曲の殆どの名場面100点が分りやすい解説とともに展示さ

れている誠に素晴らしい美術館であった。丁度在館された山中館長ご夫妻とも親しくお話しする機会も持つことができ、大変有意義なひと時

を過ごすことができた。

 帰りは再び小海線に乗って夕暮れ迫る浅間山の雄大な姿を見ながら信州の山々を抜けて小淵沢を経由し、甲府、大月を通り、その日の

夜遅く帰宅することができた。小海線沿線の景色を見、小諸の歴史的遺跡と島崎藤村の文学の足跡を訪ね、シェイクスピアと英王宮の歴史

などの西洋古典版画を鑑賞することが出来た有意義な一日であった。これがJR青春18キップを使うと往復2,300円の乗車賃で可能なので

ある。小諸は東京から決して遠くないことが分った。多くの方が小諸を訪ねて同じような体験をされることを望みたい。

                                            

  



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